ドラマCD「アンティミテ」︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵
2025年7月25日発売
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●STORY●ギャラリストの和楽
(わらく)は、仕事先で強烈に引きつけられる一連の絵に出逢う。 作者の情報を得られないまま焦がれること二ヵ月、邂逅の瞬間は突然訪れた。
彼――、足往群
(あゆき ぐん)は配送の仕事のかたわら、誰に見せるあてもない絵を描き続けていた。群を手元に引き取って自由に描かせ、才能を世に広める手助けがしたいと願う和楽だが、不審がられ受け入れてもらえない。そんな群に和楽は、対価を払ってみるかと取引を持ちかけ…?
才能に惚れ込まれた若き画家×本気の恋に臆病な年上ギャラリストを結ぶ、
運命の絵と恋の行方は――。●原作●一穂ミチ
(新書館 ディアプラス文庫)●出演●野島健児、熊谷健太郎
高橋英則、野上翔、長妻樹里
●仕様●・4DISC[本編CD3枚組+特典CD1枚]
・一穂ミチ先生書き下ろしショートストーリー小冊子つき
ドラマCD「アンティミテ」特設サイト本日は、
橘 和楽役
野島健児さん
足往 群役
熊谷健太郎さん
メインキャストおふたりのアフレコ後のインタビューをお届けいたします!
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――三日間にわたっての長時間の収録でしたが、まず原作やシナリオを読んでいただいての作品全体へのご感想や印象はいかがでしたでしょうか。野島:絵を題材とした物語ということで、どういう風に絵画が表現されていくんだろうと気になりながら、まず原作を読ませていただいたんですが、言葉だけでこんな風に絵を表現する方法があるんだと驚きました。絵画と情景や感情が重なって、読んでると自分の中にすごく素敵な絵が出来上がっていくのを体感しましたし、映像的なオーディオドラマになるんじゃないかと感じました。
――特に群の絵については和楽目線でのセリフやモノローグだけで語られるので、野島さんの声によって、読者の方の想像にも新たな色がもたらされたのではないかと思います。野島:聴いて下さった一人一人の心の中に素敵な絵が出来上がってるんだろうなって想像するだけで、ちょっとドキドキしますね。ただ、その分ですね……、びっくりするぐらいたくさん喋りました(笑)ここに印刷した台本がありますけど、しっかりした厚みがありますね。事前に読んでいてもいつまでも終わらなくて、ひさびさに痺れました(笑)
でも、とてもいい機会をいただけたなと思いました。
熊谷:小説では地の文から受け取るイメージや情景を、オーディオドラマではセリフとモノローグですべて伝えていくことになるので、どういう感じになるんだろうと考えながらドラマCDの台本を読んでいたのですが、特に、一穂先生が描かれるキャラクターたちの言葉遣いや言い回しの面白さや美しさを音でどう表現しようか、いい意味で悩みました。
群の絵は読者やリスナーの方それぞれがイメージされるものですが、同時に、この作品の中には実在する絵画や美術館の名前が出てきて、和楽さんの解説と共に知ることが出来るし、自分も調べて見ることもできますよね。僕も「オルガス伯の埋葬」は以前見たことがあったんですけど、さっきあらためて見てみたら、確かにこっちを向いている人がいて本当に目が合うなって気づきました。オーディオドラマは聴覚で楽しむものですが、視覚的な楽しみ方もできる作品なので、ぜひ絵画を調べながら聞いていただけるといいんじゃないかなと思います。そういう情報が積み重なることで、群の絵を想像するときに、より解像度が上がるような気がしました。
──続いて、演じていただいたキャラクターについてお伺いさせてください。
野島さんに演じていただいた和楽は、自分を律する強さや頑なさが感じられながらも、だからこそ後半になるにつれ、どんどん感情が顕わになっていく表現がとても素敵でした。演じられる際に心がけられたことはありますか。野島:私自身はあまり律するところがない人間なんですが(笑)律していながらも垣間見える人柄や人間みをリアルに感じてもらえるといいなと。いかに隠すかによっても魅力の伝わり方が変わると思いますので、そういう溢れ落ちる人間性や心の機微の表現が、今回の私の勝負どころでした。
彼の性格がどういった家庭環境や生い立ちからきたのか、原作と台本の情報からどこまで組み立てられるかなと考えていたんですが、お母さんから魚が送られてくるシーンがありましたよね。短いシーンでしたけど、お母さんに対する対応や、その後に鯛を嫌がりながらもちゃんと料理するところから、彼が小さい頃から暮らしてきた世界や家庭環境がバッと見えたので印象的に残っています。子供の頃から本当に絵が好きで絵に美術の世界に入りたいという彼の努力や、芸術一家の環境や画家に対しての繊細な思いの裏返しが見えたように感じて、そういう風に彼を理解しながら、僕なりに和楽という役をやらせていただきました。
でも、和楽を完成させるにはやっぱり群が必要なので、(熊谷さんが)群をどういう風に作られていらっしゃるのかとドキドキしていました。テストでマイク前に入ったとき、最初のセリフはすごく緊張するんですけど、一緒に演じさせていただいて「あ、群がいる」と、すとんと落ち着けて、そこからはどんどん、群とともに成長していける和楽の感覚が自分の中に生まれた気がします。
――熊谷さんに演じていただいた群は、大人びた面と年下らしさとのバランスが魅力でもあり難しいキャラクターだったと思いますが、演じられる際に心がけられたことはありますか。熊谷:群は家族のために働いて、自分がやりたかったことは限られた時間の中であくまでひっそりと楽しんでいて、実年齢よりすごく大人ですよね。そうやって誰に見せるでもなく描いていた絵を和楽さんによって引っ張り出してもらってからは、彼自身の持つ爛漫さや年相応な面がどんどん見えてくるんですが、だからこそ時折見せる大人なところや男性的な一面とのバランスがすごく絶妙なんだなと、演じながら感じていました。
ふとした瞬間に和楽さんに見せる表情も、音声で表現すると出しすぎなのか、逆に引きすぎなのか、子供すぎたか、大人すぎたか。群というキャラクターが一穂先生によって生き生きと魅力的に描かれているので、この絶妙な塩梅はすごく難しかったです。
でも和楽さんという人間と群との相性が良かったからこそ、そして和楽さんのセリフを野島さんが届けてくださったからこそ、僕もお芝居で引っ張っていただいて、こういう音が出るんだ、とか、こういう表情になるんだ、とか自分自身でも発見しながら、群を楽しくやらせていただきました。セリフ以外のいろんな音も含めて、どういう形に完成していくのかとても楽しみです。
群が内包している世界ってものすごく広いし深いでしょうから、それを筆に乗せて止めどなく描いていく群の姿――、特に和楽さんに引っ張り出してもらってから100%以上のアウトプットをしていく姿は、僕からするとちょっと羨ましいですね。もちろん、声の仕事と芸術とは全然違う分野ではあるんですけど、才能を遺憾なく発揮できる場があって人間的にも画家としてもどんどん成長していく彼の姿は眩しくて、不思議な感覚で彼のことを見ていました。
――ボリュームたっぷりのお話でしたが、特に印象に残ったシーンやお気に入りのシーンがあれば教えてください。熊谷:冒頭の、和楽さんが初めて群の絵を見たシーンはすごく印象的でした。和楽さんがあの絵に受けた衝撃や息が詰まるような瞬間って文章だけでも感じられますけど、野島さんが演じられている和楽の息や細やかな表現によって、僕の中でさらに鮮明になって、バーンと眼の前に広がるようでした。この人をここまで引き寄せる絵を描く人間はどんな人なんだろう、って、群は出ていないけど群の存在が強く示されるシーンでもあるので、そういう意味でも印象に残っています。
野島:ここが綺麗だなと思う描写はたくさんあって迷うんですが……。
最後に収録した「群青」というお話で新しいベッドを買ってくるシーンがあって、そこで群は青を選ぶんだ、って思いましたし、群にとっての青ってどういう意味や場所なんだろうと考えたシーンでした。群が生きている世界というもの、群にとっての安らぎであったり、人生だったり、帰る場所だったり、というところが、あのベッドの青に全部集約されているような気がして。明るい朝の光や、一緒にベッドに入る行為、そういう情景が描かれたときに、僕はそこにスポットライトが当たっているような、すごく神聖に輝いているように見えて、強く印象に残っています。
――最後に、一穂ミチ先生の作品のドラマCD化を楽しみにして下さっている皆様に向けてメッセージをお願いします。野島:おそらく僕の中では今までで一番時間をかけたドラマCDになりましたし、すべて出しきりました。ここまで美しい映像を想像させてくれるオーディオドラマは、なかなかないんじゃないでしょうか。美術館に足を運びたくなる瞬間もいくつもあって、行動を起こしたくなる作品でもあります。皆様の期待に必ず応えられる作品になりましたので、存分に楽しんでいただきです。ぜひよろしくお願いします。
熊谷:収録しながらあらためて感じたのですが、実在する場所や絵画によってもたらされるリアリティとフィクションの部分とが、すごく素敵なバランスで成り立っている作品です。野島さんもおっしゃっていたように、絵や情景が目の前に広がるような映像的なオーディオドラマですし、和楽さんと群を中心としたキャラクターの掛け合いも、音声ならではの魅力として楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
原作をお読みの方は、小説とはまた違った角度で楽しんでいただきたいですし、逆にドラマCDからこの作品を知った方は、ぜひ原作小説にも触れていただいて、より深く楽しんでいただきたいです。一穂ミチ先生の「ひつじの鍵」という別の作品にも登場する、羊というキャラクターを野上さんが演じられていて、「ひつじの鍵」や羊をお好きな方にも喜んでいただけるんじゃないかなというシーンもあります。野上さんとも楽しくやらせていただきましたので、そういったところも含めて多くの方にこの作品が届くと嬉しいです。
――ありがとうございました!
posted by Ginger Records at 20:00|
アンティミテ